去年の夏頃に書かれた記事だけど興味深い内容です。
ファッション産業が石油産業に次いで地球環境を汚染しているという問題。
ファッション業界はCO2の排出量が全業界の10%を占め、大量の水資源を消費する“世界で2番目の環境汚染産業”(国連貿易開発会議調べ)です。ファッション業界は大量生産・大量消費の時代から、徐々に持続可能な業界に変化をしていこうとする道の途中にあります
さらには、持続不可能になりかけていたモード界の慣習のひとつが、コレクション発表のサイクル。
1月に半年後の秋冬メンズおよびオートクチュール、2~3月に半年後の秋冬コレクション、5~6月に9か月後のプレスプリングまたはクルーズコレクション、6~7月に半年後のメンズおよびオートクチュール、9~10月に半年後の春夏コレクション、12月~1月に9か月後のプレフォールコレクション。このほかにメティエダールコレクションというさらなるコレクションやカプセルコレクションなる限定コレクションを追加するブランドもある。
これだけひっきりなしにコレクション発表が行われるようになったのは、21世紀に入り、資本家がモードのプレイヤーとして強い影響力を持ち始めてからである。彼らは大量の資本を投下し、大がかりなショーをおこない、派手なプロモーションを行うようになった。
大勢のジャーナリストやバイヤーはそのスケジュールに合わせて長旅をして各地を訪れ、ショーのあとのパーティーに出席し、写真を撮り撮られ、SNSを賑わせる。
消費者目線でいえば、年がら年中、ファッショニスタ集団が都市間を移動することによってCO2を無駄に排出しているようにしか見えず、あまりにも続々と「新作」が発表されるものだから、もはや「新しさ」そのものに興味を失っていた。季節感も失われた。シーズンレスといえば聞こえはいいが、季節のメリハリなく多くのコレクションが混在していたという印象である。デザイナーも、エネルギー充電をする間もなく次の作品を生み出さねばならないプレッシャーを抱え、疲弊しているように見えた。
いったい誰がこんなにたくさんの種類の「新作」を必要とするのだろうか? おそらく地球上に3桁くらい存在する超富裕層の顧客なのだろう。それにしても毎回、巨額を投じたショーとそこに参加するジャーナリストや奇抜な装いのインスタグラマーが一大スペクタクルとしてニュースになり、それが「ブランドの世界観」のPR効果を発揮すると言われても、すでに情報も商品も飽和状態、PRとしても逆効果としか見えなくなっていた。
アルマーニはインタビューに答える形で、サステナビリティの観点から次のような趣旨の提言をおこなった。
・1年に4回ものコレクションは多すぎた。実際の需要よりも供給過剰になっていた。
・コレクションのスケジュールは顧客の季節的な需要に沿っておこなうべき。
・値下げについても、店頭で大々的にセールとうたわず、顧客と個人的に静かにやり取りすべき。
コロナ の影響によって 色んなことが制限されてきましたが、人々の考え方がよりサスティナブルによりエコロジカルになってきたように私自身もそう感じています。
ファッションって人を元気にしてくれるし、夢もあるし、キラキラとした存在であり続けて欲しい。巨額を投じたショーや奇抜なファッションのインスタグラマーも、(私はもちろん地球上に3桁存在する超富裕層どころか、したから3桁くらいの位置に存在しますがw )やっぱり楽しみではある。
しかしながら、冒頭にも述べた ファッション産業が石油産業に次いで地球環境を汚染しているという問題 は、見過ごしてはいけない。 ここはハイブランドのコレクション問題とは別にもうひとつ、ファストファッションってのもあると思う。 本当に気に入ったものを長く着るというのが一番のサスティナブルなんじゃないかな?
歴史に残るこのパンデミックで大打撃を受けましたが、なにかが消滅するのではなく新しいより良いものに移行していくと考えた方がいいですね!
ITALIA VOGUEの表紙。 ロゴだけであとは真っ白な空白。
このメッセージをどうとらえるかは、その人次第なのかな?